病診連携
日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)
第23回東海北陸地方会開催にあたり
2010年4月20日

このたび日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)第23回東海北陸地方会・地方会主催ライブデモンストレーションを平成22年5月7日(金)・8日(土)岐阜県民ふれあい会館にて開催するにあたり、ご挨拶申し上げます。

冠動脈疾患に対するカテーテル治療(PCI)が始まって30年以上が経過しました。この間、技術の進歩をはるかに超えるスピードで、デバイスは絶え間ない進化を続けてきました。ステントの登場はPCIから急性冠閉塞→緊急バイパス手術→高い死亡率という恐ろしい合併症の連鎖を断ち切りました。バルーンカテーテルしかなかったころ、外科医のバックアップが不要となる時代が来ることなど想像もできませんでした。

そしてそれ以上に薬剤溶出ステント(DES)の出現は、私たちPOBAの時代からPCIに関わってきたものにとっては大きな衝撃でした。術者の技術の差を越えたDESの圧倒的に低い再狭窄率は、Evidence-basedという考え方を導入することになりました。

DESのメカニズムは新生内膜の増殖、すなわち血管拡張に伴う組織傷害に対する治癒反応を抑制することで、再狭窄を減少させるわけですが、日本に導入された2004年に晩期ステント血栓症の症例報告がランセットに掲載されたことで、すべてのオペレーターがDES一色にならなかったことは幸いであったといえます。頻度は低くとも晩期血栓症という問題を抱えるDESを画一的にすべての患者様に適応することには無理があるのではないでしょうか?絶対唯一の完全なデバイスが無い以上、より良い臨床効果を上げるために個々の患者様に応じたステントの選択が必要となります(オーダーメード医療)。

また、業者の立会い規制の導入は、PCIの現場において医師のみではなく看護師、臨床工学士等と一体となったチーム医療を確立していく必要性を益々高めてきております。

今回、地方会を開催させていただくにあたり、この「オーダーメード医療」と「チーム医療」をテーマに掲げさせていただきました。また今回はi-IVUS研究会と共催とさせていただき、インターベンションに携わる医師・スタッフすべてに有意義で実りある学会としたいと考えております。

5月7日(金)には岐阜県が誇るコンサート施設であるサラマンカホールを使ってi-IVUS研究会のビデオライブおよび岐阜ハートセンターからのライブデモンストレーションを行います。このライブは医師・コメディカル両方に有意義なものとなるよう企画いたしました。また、ライブの合間にはパイプオルガンによるミニ演奏会も企画しております。今回は皆様から多数の演題の応募をいただき演題発表が土曜日1日では収まりきらないため、金曜日の午後から始めさせていただきます。

5月8日(土)CVIT東海北陸地方会においては特別プログラムとして2つのプログラムを企画しました。「CKD時代のCoronary Intervention」と「ステント選択からオーダーメード医療を考える」です。インターベンションは今や冠動脈のみならず全身血管に拡大しております。このプログラムにふさわしい、この地区のエキスパートをお呼びしました。パネリストを交えた活発なディスカッションが行われることを期待しています。

先にも述べましたように今回、一般演題におきましては、メディカル81演題、コメディカル27演題という多数の応募をいただき、会期が2日に渡りました。感謝申し上げますとともに、会員の皆様の関心の高さ、熱い思いを感じ、今回の学会の責務の重さに身が引き締まる思いでございます。皆様によるさまざまな討論・議論を通して、PCIの発展と予後改善のための知識を共有し、患者様本位の医療を提供していくために本会が有意義な機会となれば幸甚です。

5月の岐阜県は過ごしやすく、長良川の辺に広がる自然も鮮やかです。ぜひ多くの会員、コメディカルそして関係の皆様方のご参加をお待ち申し上げます。最後に、お忙しい中ご協力いただきます先生方、ご支援賜ります企業・団体の皆様に深くお礼申し上げます。

(出所:日本心血管インターベンション治療学会 第23回東海北陸地方会挨拶から)