講演会/イベント
ハート講演会を開催しました
2010年4月8日

テーマ「心血管合併症阻止を目指した2型糖尿病のリスク管理」

開催風景

AGEsについて詳しく説明される山岸昌一先生

皆さんは、糖尿病で血管がぼろぼろになるメカニズムをご存知でしょうか?
糖尿病を放っておくと、血管が物理的にダメージを受け、いろんな障害が起こります。
今回は久留米大学医学部教授の山岸昌一先生をお招きし、血管合併症を阻止するためのリスクマネジメントについて血糖管理を中心にお話を伺いました。

17年半の長きにわたり患者様をフォローアップした結果、ゆっくり進行する糖尿病は、長期間で効果を見ていく必要があり、中でも初期血糖コントロールには、遺産的効果=コントロールすれば良い結果の蓄積があることがわかりました。また、コントロールしなければ、血管障害性の強いAGEs(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)の蓄積があることもわかりました。

糖尿病になると高血糖の状態が持続し、生体内のタンパク質が糖化されやすくなります。
初期に反応生成物としてHbA1cが生成され、更に進んで後期になるとAGEsが生成され蓄積します。
一般的には、これは血管障害性の強い物質で、身体から抜けきらず体内に蓄積していくものです。

AGEsは、酵素によらず糖と蛋白があると修飾され、タンパク質の上に毒性の高い糖化産物がイボのようにくっつくと、このイボを認識するマクロファージの血管の受容体が血管をボロボロにするような、いわば老化糖化蛋白です。

過剰な糖が血管壁を形成するコラーゲンに付着すると、付着した糖の中にあるアマドリ化合物と結合しAGEsを生成します。
AGEsが血管壁であるコラーゲンにくっつくと弾力性が失われ、血管の硬化や詰まりが起こり、切れやすくなります。これがAGEs発生のメカニズムです。

今後、このAGEsをターゲットにして減少させていければ、糖尿病を治すことができると期待されており、大学病院などでは、蓄積されるAGEsの発生を抑制したり、取り除いたりするための研究が進められています。